【お店と人】Vol.03『映画BAR ローマの休日』とっきーさん
◎ イントロダクション
岡山市内に「BAR」と「映画」を組み合わせたお店を作りました。映画にはさまざまなジャンル、テーマがあり、どの作品も観る人に訴え掛けてくれます。では、映画をカクテルという形で表現したら面白いんじゃないか…!? ということで、200種類以上の映画カクテルを考案しました。今後も種類を増やしていく予定です。ぜひ、好きな映画のカクテルを味わってみてください。店内は、ポスターやステッカーなど、映画のアイテムで飾ります。新しい映画から昔の映画まで、きっとどこかに知っている作品やキャラクターがあるハズ。居るだけでワクワクするような、そんな空間を作っていきたいと思います。
―― 開業のきっかけは?
youtubeで他店のバーテンダーが動画をアップロードしていたのを観て、それに触発されたからなんです。ビジネス的な思考ではなく、「自分なら何ができるか」を考えてみました。そこで、趣味の「映画」と「カクテル作り」を組み合わせた結果”映画BAR”となりました。
―― お客様との対人関係に不安は?
ありませんでした。「なるようになる」ぐらいにしか思っていませんでした。初めてみないとわかりませんし。前職はJA(農業協同組合)でいろんな農家さんと毎日10~20件回って喋っていました。そこでコミュニケーション力が身につきまして、とにかく気に入られるためにはどうするかを考えて動いていましたね。
―― 苦手なタイプのお客様にどう対処してますか?
苦手なタイプの方でも第一印象から変わって面白くなることがままあります。だから、お客様をあまり色眼鏡で見ないように心がけてはいます。本当に苦手なタイプの方はほぼ2度と来ません。お互いに波長が合わないのでしょうね。繰り返し来てくださる方は、接客していて楽しい方ばかりです。ただ僕のお店は映画のオリジナルカクテル&飲み放題という変わったBARなので、お酒飲みたい方ならどなたでもどうぞ!というような幅広いアピールはしていません。あくまで、映画やカクテルが好きな方に来て欲しいと思っています。
―― 憧れてるような方はいますか?
当店から近くにあるKAKKY’s BAR(かっきーずバー)の店主の接客が好きで尊敬していますし、ああいう上品なバーテンダーになりなかったんです。けど、ある日自分ではKAKKY’s BARのような謙虚で落ち着いた接客は無理だと気が付きました。それからは割とお客様にも話しかけたり、自分なりの映画論を話していくスタイルにしました。
―― お店のスタイルとして意識しているのは?
若い世代の方で、バーには怖がって(緊張して)赴かないという人もいるみたいなんです。そこでパーカーのようなカジュアルな格好でよく喋っていたら、安心して来てもらえるのではないかと考えています。ただ、提供させていただくお酒のほうはきちんとしたものをお出ししたいので日々研究しています。
―― お客様の層は?
当店では男女半々で一番多いのが20代。次いで30代です。結構若めですね。学生さんもまぁまぁ来られます。
―― 常連さんをどのように大事にされてますか?
お客様それぞれにお酒や映画の好みから政治的思想まで色々あるのを「否定しない」ように心掛けています。自分の中にも好みや意見はあるけど、映画とお酒以外の分野ではそれを前面に出さないようにしています。一旦「そういう考え方もあるんだ」とお相手の言うことを飲み込んでからお話させていただくようにしています。
―― お店を始めてから頭が柔らかくなりましたか?
柔らかくなった部分と頑固になった部分がありますね。人様の生き方や好みに対して一切のこだわりがありませんが、自分自身のことについては頑固です。お店の方針や趣味・嗜好にはあまり口を出されたくありません。
―― ブレたくないことってありますか?
サラリーマンを辞めた理由に「好きなこと&好きな環境で食べていきたい」というのが一番にあり、それが『映画BAR』となりました。なので、他人の意見に振り回されず、やりたいことをしながら無理なく自然に生きていきたいと思っています。そこにお客様を巻き込んで、一緒に楽しんでいただきたいですね。