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2019-08-06

【内懐】Vol.01 藤本涼太さん

”内懐(うちぶところ)”とは「人に知られたくない心の中の様子」。

自分らしさに自信を持てないでいる方へ、温かい気持ちと、一歩を踏み出す勇気を届けたい。 ひとりひとり違っていい、ひとりひとり違って当たり前、ひとりひとり違う方がいい。 みんな違うからこそ生きている意味がある。ゲストとの対話から、その人らしさ、内懐、困難との向き合い方、回復の哲学などの「ヒューマンストーリー」を伺い、自分らしく生きるためのヒントを探る旅。

第1回目のゲストはグラフィックデザイナー・アートディレクターの藤本涼太さん。

信念

大谷「デザインの仕事をするにあたって、どんなことを心掛けていますか?」

藤本「一歩先を見据えた視点を持つことですかね。クライアントから承諾をいただいてからも、自問自答を繰り返しています。本当にこの案でいいのかな、と。」

大谷「では、大切にされていることは何ですか?」

藤本「極力お金をかけずに良いものをどこまで作れるかが、一つの価値だと思います。また、誰もが学べるロジカルな方法論にはどこか限界があり、その一歩先を形にしないと本物は見えてこないんです。」

大谷「なるほど、ではやりがいはどこに感じますか?」

藤本「当然自分の作品が目に見える形で残りますのでそれを街で見る度に浸ることができます(笑) また、無から有を生み出すことは自身の成長にも繋がり、そこにやりがいを感じることができます。」

「もっと言わせていただくと、できるだけどんな人にも解る・共感できる・感動するデザインを提供したいと思っています。そういう想いが常にありますね。」

 

内懐

大谷「デザイナーになる前はどうしていたのか、気になります。」

藤本「20代はだいぶもやもやしてました。派遣で印刷会社に入ってから印刷物のデザインに興味が湧いたんです。どうやって作るんだろうって。それから岡山市内の中国デザイン専門学校を卒業してから、大阪の会社に就職できました。色々勉強させていただいた社長とは喧嘩別れしたんです。後悔しましたね・・・。」

「けど、独立してから数年経って現在の事務所を構えた頃に、勇気を振り絞って社長に会いに行きました。怖かったですよ本当に。暖かく迎えていただきましたけどね(笑)心から安堵しました。」

大谷「もっと遡って、10代の頃のお話も聞かせてほしいです。」

藤本「中学1年生の頃に学校も行かずに引きこもりました。行く必要ないと思ってたんですね。正論ばっかり並べる親への反抗心なのか、理解してもらえない孤独感からか、自分への怒りなのかよくわからないでいました。」

「誰の役にも立ってなければ頼られることも必要とされることもない。自分にはなんの価値もないと心からそう思っていました。どうしていいかもわからなかったし、手のつけられない子供だったでしょうね。母もずっと見守ってくれてはいましたが、トイレで泣いていたのは覚えています。」

「その頃、ギターを手に取るようになりました。そこから世界が広がって様々な人と出会って少しづつ変わることができました。数年前に仕事に没頭しすぎてしまった時期にもまた音楽によって救われたような気がします。」

「親友の死も経験してて。交通事故で即死でした。身体に入れているタトゥーは親友の名前から着想を得ています。」

 

未来

大谷「今後の展開についてどのようにお考えですか?」

藤本「ここ(事務所)って、その昔学習塾だったみたいで。自分が行き場を失っていたのが中学の頃なんで、その年頃の人間相手に何かしてあげたいですね。当時の自分みたいに苦しんでる人に音楽を教えたりだとか・・・」

 

デザインルームタブでは友人づてに引き取った、親とはぐれた子猫がいる。名前は”おぬし”。ちょろちょろ動き回ったり元気に飛び跳ねて、事務所の主と間借りしている人間を少しだけ困らせながら、日々の癒しに一役買っている。

 

ゲストプロフィール

藤本 涼太(グラフィックデザイナー/アートディレクター)
DESIGN ROOM TAB
1985年10月4日生まれ。中国デザイン専門学校卒業後、大阪のデザイン事務所で主に百貨店の広告ディレクション、デザインを担当。3年間従事した後、 岡山に戻りデザインルームタブを設立。デザイン業と同時に学生時代から続けている音楽活動では、ギタリストとして某バンドの全国ツアーをサポートするなど幅広く活動中。CI、SI、それに伴うマーケティングや集客戦略など主に立ち上げに関わるグラフィック全般。 また、撮影、店舗内装、外装のデザインディレクション業務。その他マス媒体、フリーペーパー等の広告デザイン業務を行っています。

 

インタビュアープロフィール

大谷 淳(精神保健福祉士)
1980年3月14日生まれ。地域活動支援センターにて精神保健福祉士として従事。 薬物療法中心の精神科医療から、「ひとぐすり」中心の医療に変えて行きたいという想いを抱えながら活動中。古民家や陶芸・盆栽に強い関心を寄せている。「犬の殺処分をなくしたい」・「民芸×福祉」を確立したい、などなど意欲はあるが、なかなか軸が定まらないでいる39歳。

 

※撮影・編集:金光浩太郎

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